完全希薄化後評価額(FDV)
要点 完全希薄化後評価額(FDV)は、トークン価格に最大供給量を掛けた値です。将来発行される全トークンがすでに流通していると仮定した場合の、プロジェクトの価値を示します。
完全希薄化後評価額(FDV、Fully diluted valuation)とは、トークンの価格に、将来存在し得る最大トークン数を掛けた値です。ロック中、ベスティング前、未発行のトークンもすべて含みます。時価総額が数えるのは流通供給量だけです。FDVが答えるのは別の問いで、全供給量がすでに同じ価格で取引されていたら、このプロジェクトはいくらの価値になるのか、というものです。
2つの数字の差は、将来の供給量です。たとえば、トークンの価格が0.50ドルで、流通量が1億枚、最大供給量が10億枚だとします。時価総額は5,000万ドル、FDVは5億ドルです。残りの9億枚は、多くの場合、チームへの割り当て、投資家のベスティング、トレジャリー、ステーキング報酬、エコシステム基金などに置かれています。これらはアンロックやエミッションによって、時間をかけて市場に出てきます。
これが重要なのは、新たに供給されるトークンが売り圧力になるからです。流通供給量が10倍になっても需要が変わらなければ、時価総額を同じに保つには価格が下がるしかありません。時価総額が小さくFDVが巨大なトークンは、割安に見えます。少ない出来高でも動きやすい反面、この先に大きな希薄化が控えています。時価総額をFDVで割ると、供給量のうちどれだけがすでに出回っているかを手早く把握できます。この比率が低ければ、大半のトークンはまだ市場に出ていません。
FDVはあくまで仮定の数字で、落とし穴もあります。最大供給量がないトークンや、オーナーが追加でミントできるトークンには、信頼できるFDVがそもそもありません。トラッカーによっては計算方法が異なり、最大供給量ではなく総供給量を使うこともあるため、複数のソースで数字を比べてください。流動性が薄い場合は、1回の取引で価格が決まってしまうことがあります。その価格をもとにした評価額は、ほぼ意味をなしません。
FDVを判断材料にする前に、ベスティングスケジュールを確認してください。クリフがいつ終わるか、どれだけアンロックされるか、ロックされたトークンを誰が持っているかを見ます。コントラクトで追加ミントができるかどうかも確認しましょう。そのうえで、時価総額だけでなく、似たプロジェクトのFDVとも比べてください。FDVが高いからといって暴落するとは限りませんし、低いからといって安全とも限りません。ただ、どれだけの供給量が控えているかは分かります。




